漢方について
漢方医学は
漢方医学は、中国起源の伝統医学で、日本で独自の発達を遂げたものです。
病気や不調の背景となっている体のバランスの悪さを改善することで体調を整えていく考え方です。病気の種類でみんな同じ薬を画一的に処方するのではなく、同じ病名でもその人の体質にあわせて薬を決定します。
対象疾患について
病名を参考にしつつ体質で薬を決定するので、多くの領域・疾患に渡り対応しています。
消化器、呼吸器、循環器、腎臓、リウマチ・膠原病、神経、糖尿病などの内科疾患のほか、皮膚科、婦人科、耳鼻咽喉科、疼痛性疾患など幅広い疾患に効果が期待できます。
冷え症や虚弱体質など、西洋医学では治療手段が少ない場合にも有効な手段となります。
ただし、必要に応じて血液検査なども行い、病状によっては西洋薬の併用や、緊急性が高い場合や重症度に応じて専門医療機関・病院への紹介もしています。
診察の仕方について
日本における伝統的な漢方の診察方法を用いています。
「望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診(もんしん)・切診(せっしん)」と呼ばれる診察法で、漢方医学的にどういう体質かを診断し、それにより薬を決定します。
- 望診
眼で見る診察のことをいいます。顔色や表情、動き、舌の所見など眼で見て様々な情報を収集します。 - 聞診
聴覚・嗅覚を用いた診断法をいいます。発声やお腹の音、呼吸音などを聞くとともに、臭いから感じる情報も診断に用います。 - 問診
対話の中から病歴や症状、考えなどを聞き出して参考にします。 - 切診
手で直接触れて診断する方法をいいます。特に脈の性状を観察する脈診と、腹部の性状を観察する腹診を重視します。
これらの情報を統合してその人に合った処方を決定します。
<切診として脈診・腹診、望診として舌診を用いて診療しています。>
・脈診:脈拍数(速さ)だけでなく、太さ、
漢方外来の担当医について
診察にあたるのは日本東洋医学会が認定した漢方専門医です。
院長はこれまでに漢方専門の施設で修行し、また指導医としても認定され、漢方医学を志す医師を指導し漢方の専門医を育成することを担って参りました。
保険適用
私たちが処方しているのは「医療用漢方製剤」と呼ばれる各メーカーのエキス剤や、「煎じ薬」と呼ばれる生薬ですが、殆どが健康保険が適応される薬です。
エキス剤は粉薬が殆どですが、一部にカプセル剤や錠剤を使うことがあります。煎じ薬は生薬を水から煮出したものです。
有名な薬から一般の方には馴染みの少ない処方まで、多くの薬が保険適応となっています。